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自己責任で。

小さな話をタレ流す雑記ブログ

物申さぬ日本の為替事情 〜 EU離脱問題を受けて

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ここ最近ニュースを賑わせていた英国のEU離脱問題は、まさかの『離脱』という結果でした。
 
世界的に為替市場が混乱する中で、止まるところを知らぬ様相だった『円買い』も少しは落ち着きを見せたようです。この後どうなるのか金融関係者にとって不安要素は多いでしょうが、ある程度は織り込み済みでしょう。
 
しかし他人事ではいられないのが、輸出に頼っている国内企業です。日本の経済を支えている基幹産業は、為替の影響を直に受けます。
 
リーマンショック再びとならなければ良いのですが、残念ながら政府の曖昧な姿勢に、あちこちから溜息が聞こえてきそうな気配です。
 

 

リーマンショック再来か?

 
2008年のリーマンショックは記憶に新しいところですが、実はリーマンショック時の円相場は、今現在と同じ水準でした(対米ドルで104円くらい)。その後ジワジワと下げ(円高)2011年には70円台へ突入したのです。
 
あまり為替介入してこなかった日本も、さすがにこの年は4回もの円売り介入が実施されました。そのおかげか、一旦底を見せた後に現在の水準へと戻していったのです。
 
しかしそれから現在までの約5年間、景気後退により多くの輸出産業が疲弊していったことは言うまでもありません。
 
そして今のままだと、今回も同じような為替の値動きが予想されます。日本政府が断固とした対応をとらなければ、まさにリーマンショックの再来となるでしょう。
 
さほど急な動きではないにしろ、このままいけば80円台突入はそう遠くない気がします。
 
 

なぜ日本円が買われるのか

 
2014年・2015年と貿易収支は赤字が大幅に縮小しており、かつ経常収支は黒字となりました。日本円が安全通貨であると言われている理由の一つがこれですね。日本経済が潤っているように見えるため、破綻のリスクはないと思われているのです。
 
また今年にはいってマイナス金利を導入しましたが、思ったほど日本円は売られていません。金利が下がった通貨は値を下げる傾向にあるのですが、日本国内の情勢にあまり大きく左右されないのも理由として挙げられるでしょう。
 
つまり日本円は値動きが比較的安定しており、しかも大勢(たいせい)に左右されやすい通貨なのです。ですから一度円高方向へ動き出すと、連鎖的に買われるという傾向があります。リーマンショック後がそうであったように。
 
ですから今回のEU離脱後も、しばらくは ” 円買いが円買いを呼ぶ ” かたちで続くと予想されます。
 
 
 

円高が進むとどうなる

 
日本は小さな島国でロクな資源もありません。それがなぜ先進国と呼ばれているかと言えば、輸出を軸とする産業が経済を支えているからです。
 
しかし輸出産業は円高になるほど収益が下がります。日本の屋台骨である基幹産業が不景気となれば、取引先や関連子会社へしわ寄せが及び、国内全体の景気悪化にもなります。
 
もちろん悪い事ばかりではありません。輸入産業である電力各社や外食産業、輸入品の割合が多い小売店等にとっては追い風となります。
 
ですが日本全体としてみれば輸出による経済的恩恵が大きいため、『円高=景気後退』となるのです。
 
ですから国の経済を支える上で為替の安定は欠かせないのですが、残念ながら政府の対応は常に曖昧です。
 
 

困った時には、ひとまず日本円

 
『有事の円買い』という言葉があるように、世界経済が大きな混乱に見舞われた際には日本円が買われる傾向にあります。これは日本円が安全通貨と言われているためであることは前述の通り。
 
しかし私なりにもう一つ理由があるとすれば、 ” 日本は何もしない国 ” だからではないでしょうか。
 
世界経済が混乱している最中でも日本政府はモジモジしているだけなので、『大きく予想を覆すような事にはならないだろう』と思われている気がしてなりません。
 
ですから世界のどこかで何かが起こると『ひとまず日本円にしておくか』となるのです。いわば資金の避難場所となっているのでしょうね。
 
これは日本経済にとって好ましい事ではありません。なぜなら国内の経済情勢に関わりなく円高になってしまうからです。不況時に円高を招いてしまうと、日本の企業に追い討ちをかける格好となります。
 
 

日本政府の対応は、いかにも日本人らしい

 
さて今回のEU離脱を受けて財務相が緊急会見を開きましたが、これまた釈然としない内容でしたね。
 
為替相場については、
 
「必要な時には、しっかりと対応していきたい」
 
としたものの、記者からの質問に対しては、
 
「まだ申し上げる段階ではない」
 
「為替のことについてコメントすることはありませんから」
 
というもの。まるで他人事のような会見にガッカリしました。
 
 

あとがき

 
よく言われる、外国人から見た日本人の印象として『日本人はハッキリと物を言わない人種』と揶揄(やゆ)されるのを耳にします。
 
今回のEU離脱を受けて、皮肉にも『はっきり物を言わない』日本人の性格が政府の対応にも表れている気がしてなりません。
 
各地で選挙活動が活発に行われている中で、為替の値動きが政府への支持率と比例している気がするのは私だけでしょうか。
 
物申さぬ日本人がハッキリと物申すのは選挙の時ばかりとは、これまた失敬な話ですよね。
 
 
 
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