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小さな話をタレ流す雑記ブログ

家電製品の流行に見る『ものづくり日本』の軌跡 ー お家芸メーカーが衰退している理由とは

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日本は技術を輸出して潤っている国です。『ものづくり』によって経済成長してきたのですね。特に、ものづくり日本を代表するのが車と家電製品。『Made in japan』テクノロジーが世界をリードし、生活を豊かにしてきました。
 
日本国内で生活に利用されている車や家電製品は、圧倒的に国内メーカーがシェアを占めていますよね。日本で生まれ育った者にとっては当たり前と思うかもしれませんが、これって世界的に見ると結構スゴイことです。
 

 

逆に衣類をはじめとするファッション業界において、その有名ブランドが名を馳せているのは海外ばかり。日本発で世界に名を知らしめているのは、しいて挙げるなら『UNIQLO』でしょうか。これもブランド名が圧倒的な価値を持っている海外のそれと比べると、ベクトルが少し違います。
 
こうしてみると、日本はものづくりという点において機能性に価値を見出す文化があり、ことデザイン性という分野については後回しの印象が強いです。
 
 
 

日本の家電製品は『色』によって分類分けされている

 
家電業界では、大きく分けて以下3つのカテゴリが存在します。
 
黒物家電】テレビ・オーディオ・ビデオデッキ・ビデオカメラなど、映像や音響製品。
 
白物家電】冷蔵庫・洗濯機・エアコン・調理器具・クリーナーなど、生活用品。
 
情報家電】パソコン・周辺機器・電話機・FAXなど、PCおよび通信機器関連。
  
といった具合。
 
 
 
ただし情報家電というカテゴリは後発で、最近は曖昧になっています。
 
と言うのも企業によっては『デジタル家電』と呼ばれる事もあるためです。『デジタルカメラ』『デジタルビデオカメラ』『デジタルオーディオ』など、元々アナログだった頃は黒物家電だったのが、最近になってデジタル化が進み情報家電に分類されています。
 
さらに携帯電話の台頭により『電話機』『FAX』『携帯電話』を別ジャンルにしたり、『ウェアラブル端末』という新ジャンルが派生したりもしています。
 
 
 
そもそもは大きく分けて『白物家電』『黒物家電』の2つに呼称されていたのですね。文字通り製品の特徴となる『色』のイメージで分けられています。結構いい加減な気がしますが、長きにわたって業界用語として利用されているのです。
 
ところが最近では、その分類と製品のイメージ色が必ずしも一致しません。実に色とりどりな家電製品が登場し、なかにはカラーバリエーションを取り揃えている製品も珍しくないのです。
 
  
 

 

家電製品のデザイン性に価値を見出した製品とは

 
冒頭で記したように、日本ではデザイン性よりも機能性に価値観を求める傾向が強く、家電製品については『高機能』『使いやすい』『コンパクト』『省エネ』といったコンセプトが先行されます。
 
しかし最近ではデザイン性も重要視されているようで、洒落た形や奇抜な色を用いた製品も多くあります。
 
 
 
おそらく、その流行を家電製品で生み出したのが
 
 ・ソニー  『WALKMAN』 1970年代後半〜1980年代
 ・アップル 『iMAC』     1980年代後半〜1990年代
 
の2つではないかな?と勝手に推測しています。
 
 
 
そもそも『家電製品を携帯する』という新しい常識を生んだのが、ソニーウォークマンです。
 
当時の開発秘話をどこかで読んだのですが、ウォークマンを開発した当初の社内では「こんなもの売れるハズがない」と言われていたそうです。「なぜヘッドホンをしてまで、わざわざ外で音楽を聴くのか?」と。
 
しかし若者へ視聴してもらったところ大変好評で、発売と同時に品切れ続出の大ヒット商品となったのです。他社メーカーも追随しようとしましたが、ウォークマンが圧倒的にシェアを誇っていたと記憶してます。
 
そしてターゲットが若者であったため、デザイン性が求められていったのでしょう。次々と新商品が開発され、『よりお洒落に』『よりカラフルに』なっていったのですね。もちろん音が良かったことは言うまでもありませんが。
 
 
 
そしてもう一つ。
 
それより少し後になりますが、ほぼ同時に普及し始めていたのが『パーソナルコンピューター』です。機能性や実用性で先行していた日本メーカーに殴り込みをかけるようにして発売されたのが『iMac』でした。
 
それまでもマックのデザインは、ロゴも含めて洒落ていましたからね。もともと人気はあったのですが、iMacが発売された時は衝撃的でした。パソコンを使えなくても、インテリアとして置いておきたくなるような半透明のデザイン。後に発売されたカラーバリエーションは、全色揃えたくなってしまうようなCMでした。
 
 
 
家電製品に視覚的な『デザイン性』を圧倒的に見せつけたのが、私の記憶ではこの2つです。その頃から日本の家電メーカーも、見た目の重要性を認識し始めたのではないでしょうか。最近では『黒物家電』『白物家電』という言葉が全く当てはまらないようなデザインの製品が増えています。
 
例えば冷蔵庫はシルバーや黒といったモダンな色や、鏡面加工された物まであります。炊飯器も今やほとんどがシルバー。高級感を狙って赤色という製品も珍しくありません。白色の製品はむしろ減っています。
 
ちなみに黒物家電もシルバーが好んで使われています。ポータブル製品はカラーバリエーションが当たり前といった趣で、最近ではデジタルカメラやデジタルビデオカメラも複数色用意されています。
 
家電製品にも、デザイン性やファッション性が求められるようになっているのですね。
 
 
 

なぜ技術力の高い日本メーカーが危ないのか

 
三洋・シャープ・東芝と言えば、高い技術力を誇っていたはずの総合家電メーカー。しかし今では、次々とニュースに暗い影を落としています。一体なぜでしょうか。
 
家電業界で当初『三種の神器』と言われたテレビ・冷蔵庫・洗濯機は、日本の技術が世界をリードしてきました。しかし、これらの製品を次々と世に送り出してきた家電メーカーが危機的な状況にあるのは、ニュースでも周知の通り。
 
こうしたニュース報道でよく言われるのが「海外メーカーとの価格競争力が低下し、うんぬんかんぬん・・・」と言われてますが、私は違うと思います。価格競争力ではなく、消費者のトレンドを掴めなかったから退場を強いられただけです。
 
今の日本は、必ずしも価格に魅力を見出す人ばかりではありません。例えば、日本の『お家芸』を押しのけて進出している海外メーカーがあります。『アップル』『ダイソン』『ティファール』『レイコップ』などです。
 
これらの海外メーカー製品は、決して安くありません。むしろ日本のメーカーに比べれば圧倒的に高いです。それでも支持され続けているのは、
 
 ・デザイン性に富んでいること
 ・コマーシャリズムに優れていること
 ・新しい付加価値を創造していること
 
といった理由からです。
 
日本の製品は、技術的にもコストパフォーマンス面でも負けていません。ただし上記のようなニーズを捉えることが出来なかったのです。
 
少し冒頭の話に戻りますが、機能性に価値を見出すことは『三種の神器』という言葉が流行っていた頃であれば、市場ニーズに適していたのでしょう。しかしそれらを所有していることが当たり前になった今の時代に求められているのは、日本が不得意とする『デザイン性』であると考えます。
 
高性能・高機能・高品質だけで物が売れる時代ではないのでしょうね。ただ々々『より良い物を作る』ことに身骨を砕いてきた日本の家電メーカーが、こうして衰退していく様を見るのは寂しい気がします。
 
 
 
そうそう、かつてのマンモス小売企業である『ダイエー』も姿を消しましたが、この会社スローガンが「For the Customers-良い品をどんどん安く-」という言葉でした。
 
創業者の中内功氏は、社会を豊かにしようという理念を基に会社経営をしていたと言われています。とにかく良い物をより安く提供して、社会を豊かにしようとの一心だったのでしょうね。
 
家電メーカーと業種は違えど、似たような歴史を歩んでいる事に驚かされます。日本の職人気質(かたぎ)が仇となっているような気がしてならないのですが、いかがなものでしょうか。
 
私も職人気質である一人のサラリーマンとして、陰ながら日本の家電メーカーにエールを送り続けていきたいと思います。