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自己責任で。

小さな話をタレ流す雑記ブログ

EC化による小売店の未来はどうなる?

企業

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経済産業省の統計を見てみると、消費者の購買動向がここ数年で大きく変わってきている事に気づきます。
 
BtoC(企業対個人)のEC(eコマース/電子商取引)市場規模は、ずっと右肩上がりです。
 
2013年に10兆円の大台を超え11兆1660億円、2014年は12兆7970億円となりました。額だけではなくBtoC全体に占めるEC化率(割合)も上がり続けており、今後さらに加速するでしょう。

 

個人的な予想としては、2015年のEC市場は15兆円に手が届くところまで伸びていると考えています。EC化率も4.8%、いや5.0%を超えているかもしれません。
 
今後のこうした展望を考えると、特に物販系の実店舗を展開している企業は事業の転換を迫られるでしょう。
 
こうした物販系企業は既にネット通販を併せて展開しつつありますが、今のところはEC専業の楽天Amazonが大きくシェアを占めています。
 
 

EC化による影響が大きい実店舗

 
ところで最近良く耳にする『ショールーミング』という言葉ですが、どういう意味かご存知でしょうか。
 
これは店頭で商品の実物を見定めて、実際に購入するのはネットショップ等の通販を利用するという買い物のスタイルを指しています。
 
販売店はショールームとしての役割を担っているだけ、というところから揶揄(やゆ)された言葉ですね。
 
このショールーミングによって特に大きな影響を受けているのは、家電量販店と書店だと言われていますが、いったい何故でしょう。
 
 

家電製品はどこで購入しても商品自体は同じ

 
日本で流通している家電製品は、その大半が国内メーカー製で種類も限られています。ですからどこの家電量販店でも、品揃えはあまり変わらないという特性があります。
 
また家電製品の場合、ブランド装飾品のような模造品や偽物はまずありません。言い換えれば「どこで買っても同じ製品」なのです。ですからメーカーや製品自体にこだわりはあっても、販売店へのこだわりはあまりないというのが実情です。
 
ひと昔前のように家族ぐるみで電気屋さんとお付き合いしている時代ではありませんからね。家電量販店の価格競争が激しいのも、こうした背景があるからなのです。
 
とは言っても最近の家電製品は多機能でインターネットの口コミだけでは判断が難しい場合もあるので、店頭で話を聞きながら品定めをするわけですね。
 
しかし商品が決まってしまえば、あとは値段だけです。延長保証などのサービスは店によって違いますが、メーカー保証はどこで買っても付いてますから、あまり気にならない人はインターネットで安いお店を探して購入するわけです。
 
それにネットショップも大手が多数参入していますから、信用度という点では実店舗と変わりありません。
 
悲しいかな、お世話になった店で買うという道徳慣習は過去の遺物となりつつあるようです。
 
 

 

書店で本を買うデメリット

 
一方で書籍の場合はどうでしょう。
 
雑誌や週刊誌などは、すぐ読みたい場合が多いので駅の売店やコンピニエンスストアで購入する人が大半を占めています。
 
しかし文庫本や単行本・参考書などになると事情が違ってくるようです。
 
よほどミリオンセラーでなければ、目的の本を書店で探すのは手間であるという理由が一つ。
 
そして持ち帰るのに重たいという理由が二つ目。
 
そして三つ目にインターネットで購入したほうが安い場合が多いという事情があります。
 
 

EC化が進んだ一番の立役者とは

 
このようにネット社会の普及によって、購買動向に大きな変化が起きています。インターネットは多くの情報をもたらしてくれますし、時間のない人にとっては便利なツールです。
 
そしてもう一つ、ショールーミングが急激に加速した影で暗躍していたツールがあります。
 
ショールーミング』という言葉が賢(さか)しげに叫ばれるようになったのと前後して普及したもの、それは『スマートフォン』です。
 
最近の家電量販店では、商品の前でスマホを操作しているお客様が多いことにお気付きでしょうか。
 
店頭に並んでいる商品を見ながら、価格や性能を調べているのです。店員の熱弁もむなしく、スマホから懸命に情報を取り出している姿を良く目にします。
 
その情報をもとに価格交渉するといった光景も珍しくありません。それで購入すれば良し、ともすれば店を出てからネットで注文するというケースが増えているようです。
 
本の場合は少し勝手が違います。
 
電子書籍』というコンテンツを利用して、スマホを本の代わりとして活用している人が増えているのです。
 
電子書籍のサイトも多く存在しており、文庫本1冊の値段で何冊もの電子書籍が購入出来てしまいます。重たい本を持ち歩く必要もないわけです。
 
実はスマートフォンの歴史もまだ浅く、国内で初めてアイフォンが発売されたのは2008年、アンドロイド搭載のスマートフォンは2009年に登場しました。
 
それからわずか6〜7年の間に、消費活動を含めた生活スタイルが大きく変化していったのです。
 
スマートフォンの普及に伴いショールーミング化が進み、同時にEC化が拡大していったと考えるのが自然でしょうね。
 
そうした意味では、スマートフォンが商慣習を大きく変えていった一番の立役者と言えるのではないでしょうか。
 
 

小売店の今後の展望

 
家電量販最大手のヤマダ電機が、昨年に全国60店舗あまりを閉鎖した事は記憶に新しいですね。
 
これにより大幅な業績改善も発表されましたが、あくまで不採算店舗の整理による結果です。
 
また書籍の売上で最大手のTSUTAYAカルチュア・コンビニエンス・クラブ)も、CD・DVDを含めた総合コンテンツビジネスとして、ネット配信によるサービス提供を強化しつつあります。
 
他の小売企業も変革を求められていくでしょう。実店舗には更なる付加価値やサービスが求められ、EC化の波に乗り遅れた企業は淘汰されていく事が容易に予想されます。
 
こうした小売業界に勤めているサラリーマンの方々は、これから数年の大きな変化に翻弄される厳しい時代になりそうです。
 
 
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